先祖歴
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戸籍でたどれるのは、多くの家で5代前から6代前までです。その先の先祖は、お墓や位牌、お寺の過去帳に名前が残っていることがあります。このページでは、身近なところから順に、何を見て、どう読むか、お寺にどう頼むかをお伝えします。
いちばん身近な手がかりは、家の仏壇です。
位牌や過去帳を見るときは、手を合わせてから、そっと取り出しましょう。家の人が大切にしているものなので、ひと声かけてから見るのが礼儀です。
お墓には、次のようなところに字が刻まれています。墓石に彫られた家紋の調べ方は、「家紋の調べ方と歴史」にまとめています。
| ところ | 書かれていること |
|---|---|
| 墓石の正面 | 「○○家之墓」「先祖代々之墓」、または一人の戒名 |
| 墓石の横・裏 | お墓を建てた年と、建てた人の名前。古いお墓では、葬られた人の戒名と命日 |
| 墓誌(お墓の横の石の板) | 葬られた人の戒名、俗名、亡くなった年月日、年齢が、亡くなった順に |
古いお墓の字は、すり減って読みにくくなっています。読むときのコツは、次のとおりです。
同じ墓地の中に、同じ名字の古いお墓がまとまってあることもあります。本家や分家のお墓かもしれません。ただし、ほかの家のお墓を勝手に調べるのは控え、気になるときは、その家やお寺にたずねましょう。
戒名は、亡くなった人が仏の弟子としていただく名前です。宗派や地域によって形はさまざまですが、終わりにつく字から、亡くなったときの年ごろや性別の見当がつくことがあります。
| 終わりの字 | おもな意味 |
|---|---|
| 信士・信女 | 大人の男性・女性に、広くつけられる |
| 居士・大姉 | 大人の男性・女性。信士・信女より位が高いとされる |
| 童子・童女 | 子どものうちに亡くなった男の子・女の子 |
| 孩子・孩女、嬰子・嬰女 | おさないうちに亡くなった子 |
戸籍に出てこない、小さいうちに亡くなった子が、お墓や過去帳にだけ残っていることもあります。家系図に書き添えて、その子のことも覚えておきましょう。浄土真宗では「釋○○」のような法名をつけ、終わりの字は使わないのが普通です。
家のお墓を守ってくれているお寺(菩提寺)には、代々の檀家の亡くなった人を書きとめた過去帳があります。江戸時代までさかのぼれることもあり、戸籍より前の先祖を知る大きな手がかりです。
ただし、お寺の過去帳は、そのまま見せてもらえないことが多いです。過去帳が身元調べに使われ、人を差別することにつながってきたため、外の人に見せない決まりにしている宗派やお寺が多くあります。頼むときは、自分の家の先祖のことだけを、住職に調べていただく形でお願いします。
頼み方の目安は、次のとおりです。
お寺が遠いときや、菩提寺がわからないときは、本家や親せき、墓地の管理者、葬儀や法事の記録から、手がかりを探してみましょう。
父方と母方で宗派やお寺が違うときの、法事・仏壇・お墓の考え方は、「父方と母方で宗派が違うときの法事・仏壇・お墓」にまとめています。お寺に過去帳が残るようになった江戸時代の寺請制度と、宗派の成り立ちは、「日本の仏教の宗派の歴史と成り立ち」にあります。
お墓や過去帳、戸籍でわかるのは、名前や亡くなった日、親子のつながりです。先祖がどんな仕事をし、どんな暮らしをしていたかは、図書館にある昔の本や名簿が手がかりになります。
国立国会図書館の本や雑誌を、インターネットで見られるようにしたものです。明治から昭和の本も多く、本文の中の言葉まで探せます。探すのも、インターネットで公開されている資料を読むのも無料で、登録もいりません。一部の資料は、利用者登録(本登録)をすると家で読めます。入り口は国立国会図書館デジタルコレクションです。
名前だけで探すと、同じ名前の別の人がたくさん出てきます。次のように組み合わせると、しぼれます。
見つかることがあるのは、役所や学校につとめた人の名前が載る「職員録」、その土地で名の知られた人が載る「人事興信録」や「紳士録」、昔の村長などが載る「町村誌」「郡誌」、学校の記念誌や卒業生名簿、国の知らせの「官報」などです。
先祖が暮らした土地の図書館には、市町村史や県史、地名の辞典、昔の地図、古い新聞などの郷土資料がそろっています。県の文書館や郷土資料館には、江戸時代の宗門人別改帳など、村に伝わった古文書が預けられていることもあります。わからないことは、図書館の調べものの相談の窓口にたずねると、資料を一緒に探してもらえます。
見つけた人が、同じ名前の別の人のこともあります。住まい、年ごろ、仕事が、戸籍やお墓の記録と合うかを確かめ、確かめられないうちは、家系図では「言い伝え」や「まだ不明」にしておきましょう。どの本の何ページで見つけたかも、覚え書きに残しておくと安心です。なお、昔の名簿には、差別につながる書きこみがあるものもあります。調べるのは自分の家の先祖のことだけにしましょう。
お墓や過去帳でわかったことは、次のように書きこむと、あとで迷いません。
「家系図をつくる」では、命日を入れると、次の法事の年もわかります。命日の月日まで入れれば、命日と法事をカレンダーにも入れられます。
過去帳は、どこで見られますか?
家の過去帳は、仏壇の引き出しなどにしまわれていることが多いです。お寺の過去帳は、外の人には見せない決まりのお寺が多いので、檀家として、自分の家の先祖のことを住職に調べていただく形で頼みます。
家の過去帳は、どこで書いてもらえますか?
過去帳は仏具店などで買い、戒名と命日は、菩提寺の住職に書いていただくことが多いです。家の人が書いてもよいとするお寺もあるので、迷ったら菩提寺にたずねましょう。
お寺の過去帳は、見せてもらえますか?
過去帳そのものは、見せてもらえないことが多いです。身元調べや差別に使われてきたため、外の人に見せない決まりにしている宗派やお寺が多くあります。檀家として、自分の家の先祖についてたずねると、住職が調べて教えてくれることがあります。
菩提寺がわからないときは、どうしますか?
お墓のある墓地の管理者、本家や親せき、仏壇の位牌や過去帳の書きこみ、葬儀や法事の記録などから、手がかりが見つかることがあります。
お墓をしまう前に、しておくことはありますか?
墓石や墓誌の写真を、四方から撮っておきましょう。刻まれた戒名や年は、お墓をしまうと二度と見られなくなります。家系図に書きうつしておくと、家の記録として残せます。
参考にした資料