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家系図をいちばん確かなものにしてくれるのは、役所にある戸籍です。ただ、役所が家系図を作ってくれるわけではありません。役所でもらえるのは戸籍の写しで、それを読みといて家系図にまとめるのは、自分の仕事です。このページでは、市役所での頼み方、かかる手数料、どこまでさかのぼれるかを、家系図づくりの順番にそってお伝えします。
最初に、自分の今の戸籍(戸籍謄本)を取ります。頼むのは、本籍地の市区町村の窓口です。本籍地がわからないときは、本籍の書かれた住民票で確かめられます。
戸籍の自分の欄には、どの戸籍から入ってきたかが書かれています。この欄を「従前戸籍(じゅうぜんこせき)」と呼びます。多くの場合、それが親の戸籍です。ここが、さかのぼる道の入り口になります。古い戸籍では、「○○番地 だれそれ 戸籍より入籍」のような書き方をしています。
前の戸籍がわかったら、その戸籍を頼みます。今はもう閉じられている戸籍は「除籍謄本」、法律の変わり目で作りかえられる前の戸籍は「改製原戸籍謄本」という名前になります。
窓口では、次のように伝えると、つながる戸籍を探してもらいやすくなります。
本籍地が遠い役所に頼むときは、郵便でも頼めます。請求書、本人であることがわかる書類の写し、手数料(郵便局の定額小為替)、切手をはった返信用の封筒を送るのが、多くの役所の決まりです。細かな決まりは役所ごとに違うので、その役所の案内で確かめてください。
2024年(令和6年)3月1日から、本籍地ではない市区町村の窓口でも、戸籍や除籍の証明書を頼めるようになりました(広域交付)。先祖の本籍がいくつもの市区町村に分かれていても、住まいの近くの窓口で、まとめて頼めます。
| 決まりごと | 中身 |
|---|---|
| 頼める人 | 本人、配偶者、父母や祖父母、子や孫。兄弟姉妹は入りません。 |
| 頼み方 | 頼む本人が、窓口へ行きます。郵便や代理の人では頼めません。 |
| 持っていくもの | 運転免許証、マイナンバーカード、旅券など、顔写真のついた身分証明書。 |
| 取れないもの | 電子の記録になっていない一部の古い戸籍。一部の人だけの証明書(抄本など)。 |
何通もまとめて頼むと、その日のうちに受け取れないことがあります。時間に余裕をもって出かけましょう。
戸籍が届いたら、一通ずつ、次の順で読んでいきます。
古い戸籍は手書きで、数字は「壱」「弐」「参」「拾」のように書かれています。読み方のコツは「古い戸籍の読み方」にまとめています。年は和暦西暦早見表で計算できます。戸籍に出てくる続柄の呼び方は、親族の呼び方と親等にまとめています。
読んだそばから「家系図をつくる」に入れていくと、次にだれの戸籍を取ればよいかが、図の上で一目でわかります。
手数料は、多くの市区町村で、戸籍謄本が1通450円、除籍謄本と改製原戸籍謄本が1通750円です。頼む通数を入れると、合計の目安を出します。
郵便で頼むときは、このほかに郵便代と、定額小為替の発行の手数料がかかります。手数料の額は、頼む前にその役所の案内で確かめてください。
多くの家では、取る戸籍は数通から十数通ほどで、手数料は数千円から1万円ほどにおさまります。家系図づくりを専門の事務所に頼むと、調べる広さにもよりますが、十数万円から数十万円かかることが多いので、自分で集める値うちは大きいと言えます。
役所に残っている、いちばん古い戸籍までさかのぼれます。多くの場合、たどり着くいちばん古い戸籍は、明治19年の決まりで作られた戸籍(明治19年式戸籍)です。そこに書かれた戸主の親の名前までわかれば、江戸時代の終わりに生まれた先祖までたどれます。自分から数えて、5代前から6代前、およそ150年ほどです。
明治5年に作られた最初の戸籍(壬申戸籍)は、見ることができません。身分や家柄など、差別につながる書きこみがあったため、1968年から、法務局でかたく閉じられています。
閉じられた戸籍(除籍や改製原戸籍)は、いつまでも残るわけではありません。
家系図をつくるつもりがあるなら、古い戸籍は、取れるうちに取っておくのがおすすめです。取った戸籍は、それ自体が家の大切な記録になります。
頼んだ戸籍がすでに処分されていたときは、役所に「処分されたことの証明」を出してもらえることがあります。そこで戸籍の道は途切れますが、お墓や過去帳など、戸籍の先を調べる道があります。詳しくは「お墓と過去帳で、戸籍より前の先祖を調べる」と「家系図は何代前までさかのぼれるか」にまとめています。
戸籍の先は、お墓や過去帳、家に伝わる文書、図書館の郷土史などで調べます。詳しくは、姉妹サイトの読みもの「先祖のたどり方」をご覧ください。
市役所で「さかのぼれるだけ」頼むと、いくらかかりますか?
取る通数によって違います。戸籍謄本が1通450円、除籍謄本と改製原戸籍謄本が1通750円なので、多くの家では、合わせて数千円から1万円ほどです。頼む前に窓口で「何通くらいになりそうか」をたずねると安心です。
改製原戸籍とは、わかりやすく言うと何ですか?
法律が変わって戸籍が作りかえられたときの、作りかえる前の古い形の戸籍です。読みは「かいせいげんこせき」で、役所では、今の戸籍(現戸籍)と聞き間違えないよう「かいせいはらこせき」と呼ぶこともあります。
古い戸籍は、どうやって取りますか?
本籍地の役所か、近くの役所の窓口(広域交付)で、「つながる戸籍・除籍・改製原戸籍を、さかのぼれるだけすべて」と頼みます。広域交付は、本人が窓口へ行き、顔写真のついた身分証明書を見せます。
市役所で、家系図を作ってもらえますか?
いいえ。役所が出すのは戸籍の写しで、家系図は作っていません。戸籍を読みといて、自分でまとめます。
兄弟の戸籍や、おじ・おばの戸籍も取れますか?
自分で頼めるのは、たての流れの家族の分だけです。ただ、祖父母の古い戸籍には、おじやおばの名前も一緒に書かれていることがよくあります。
戸籍は、何通くらい取ることになりますか?
家ごとに大きく違います。本籍を何度移したか、いつ結婚したかによって、一代で一通のこともあれば、何通にもなることもあります。窓口で「何通くらいになりそうか」を先にたずねると安心です。
ほかの人の家の戸籍を、調べてもらうことはできますか?
できません。戸籍には、その人や家族の大切なことが書かれています。ほかの人の戸籍を取ったり、家柄や出身を調べたりすることは、人を深く傷つけ、差別につながってきました。偽りや不正な手段で戸籍を取ると、罰せられます。家系図は、自分の家の歩みを知るためにつくりましょう。
参考にした資料