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役所から届いた明治や大正の戸籍は、筆で書かれ、見なれない言葉や数字が並んでいて、はじめは読めないと感じるものです。けれど、書き方には決まりがあり、いくつかのコツをつかめば、だれでも読めるようになります。このページでは、家系図をつくるために古い戸籍を読むコツをまとめました。
戸籍は、法律が変わるたびに作り方が変わってきました。作られた年の決まりで「明治19年式」のように呼ばれます。戸籍そのものに年式は書かれていませんが、見た目で見分けられます。
| 年式 | 見分け方 |
|---|---|
| 明治19年式 | 取れるうちで、いちばん古い戸籍。筆の手書きで、くずし字が多い。家ごとにまとめ、いちばん初めに戸主を書く。 |
| 明治31年式 | 「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」(戸主になったわけと日)の欄がある。 |
| 大正4年式 | 戦前の最後の「家」ごとの戸籍。手書き。戸主を初めに、その家の人を並べる。 |
| 昭和23年式 | 戦後の戸籍。夫婦と、結婚していない子でひとまとまり。戸主ではなく「筆頭者」を書く。縦書き。 |
| 平成6年式 | 今の戸籍。横書きで、数字は算用数字。コンピュータで作られている。 |
昭和23年より前の三つ(明治19年式・明治31年式・大正4年式)は、「家」をひとまとまりにした戸籍です。一通の中に、戸主の親、兄弟、その妻や子まで、大勢が書かれていることがあります。家系図づくりでは、とても情報の多い戸籍です。
古い戸籍の数字は、書きかえられないように、難しい字で書かれています。
| 書かれた字 | 読み | 数 |
|---|---|---|
| 壱 | いち | 1 |
| 弐 | に | 2 |
| 参 | さん | 3 |
| 拾 | じゅう | 10 |
| 廿 | にじゅう | 20 |
| 卅 | さんじゅう | 30 |
四から九は、普通の漢数字のことが多いです。たとえば「明治参拾弐年拾月廿壱日生」は、明治32年10月21日生まれです。年は和暦西暦早見表で西暦に読みかえると、親子の年の差がすぐわかります。
古い戸籍を読むとき、いちばん大切なコツです。昭和23年より前の戸籍では、一人ひとりの続柄は、戸主から見た呼び方で書かれています。
自分から見た続柄ではないので、まず戸主がだれかを確かめ、そこから一人ずつ、家系図の上に置いていきます。「家系図をつくる」に入れると、自分から見た呼び方(曾祖父、大おじ など)は自動で出ます。
なお、古い戸籍では、二番目の男の子は「次男」ではなく「二男」と書きます。娘も「長女」「二女」です。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 戸主(こしゅ) | 家の長。家の人をまとめ、家の財産を受けつぐ人。 |
| 前戸主 | 一つ前の戸主。多くは今の戸主の父。 |
| 家督相続(かとくそうぞく) | 戸主の地位と家の財産を、一人で受けつぐこと。多くは長男が受けついだ。 |
| 隠居(いんきょ) | 戸主が生きているうちに、戸主の地位をゆずること。 |
| 分家(ぶんけ) | 家の人が、新しく別の家を立てること。もとの家は「本家」。 |
| 入籍・除籍 | その戸籍に入ること、その戸籍から出ること。 |
| 入夫婚姻(にゅうふこんいん) | 女の戸主と結婚した夫が、その家に入ること。 |
| 婿養子縁組 | 娘と結婚すると同時に、その家の養子になること。 |
| 婦(ふ) | 戸主から見た、子や孫のつれあい(嫁)。「長男婦」は長男の妻、「孫婦」は孫の妻。 |
| 嫡出子(ちゃくしゅつし) | 結婚している夫婦の間に生まれた子。 |
| 庶子(しょし) | 結婚していない間に生まれ、父が自分の子と認めた子(昔の言い方)。 |
| 本籍・番地 | その家の戸籍がおかれた所。古い戸籍では「○○村大字○○百弐拾番地」のように書く。 |
このような「家」の決まりは、昭和22年に終わりました。古い言葉には、今の考えでは人を分けへだてるように聞こえるものもあります。家の歩みを知るための記録として受けとめましょう。
古い戸籍には、名前の欄に×の印がついていたり、線で消されたりしている人がいます。これは、結婚や養子縁組、分家、亡くなったことなどで、その戸籍から出た人です。
消された人の欄にも、いつ、どこへ移ったかが書かれています。たとえば「○○村△△へ嫁ス」とあれば、どこの家へ嫁いだかがわかります。その先の戸籍をたどれば、親せきの家のつながりも見えてきます。消されているからといって、読みとばさないようにしましょう。
名前のそばに「出生」「死亡」「婚姻」などの書きこみがあり、届けた日や届けた人も書かれています。届けた人の名前から、その家の人の暮らしが見えてくることもあります。
いちばん古い戸籍は何ですか?
今取れるいちばん古い戸籍は、多くの場合、明治19年式の戸籍です。明治5年に作られた最初の戸籍(壬申戸籍)は、差別につながる書きこみがあるため、見ることができません。
古い戸籍の「婦」は、何のことですか?
戸主から見た、子や孫のつれあい(嫁)のことです。たとえば「長男婦」は長男の妻、「孫婦」は孫の妻です。
原戸籍は、何と読みますか?
「げんこせき」と読みます。役所などでは、今の戸籍(現戸籍)と聞き間違えないよう、「はらこせき」と呼ぶこともあります。
古い戸籍の続柄は、だれから見た呼び方ですか?
昭和23年より前の戸籍では、戸主から見た呼び方です。「母」は戸主の母、「孫」は戸主の孫のことで、自分から見た続柄ではありません。
名前に×がついていたり、線で消されたりしているのはなぜですか?
結婚や養子縁組、分家、亡くなったことなどで、その戸籍から出た人です。消された人の欄にも、どこへ移ったかが書かれているので、大切な手がかりになります。
戸籍の取り方がわかりません。
頼み方と手数料は、「戸籍で家系図をつくる手順と費用」にまとめています。
参考にした資料